α7s 長期レビュー
気がついたら最後の更新から1年以上! この記事の下書きを書きはじめたのももう半年前…おかしいな。
さてさて。 どうも最近α7sが流行っているみたいだ。いや、正確に言うと、この記事を書き始めた半年前は流行っていた。今はシグマfpの方が流行ってると思う。 半年前に流行っていたといっても恐らくTwitter上の一部の人たちで、しかもほぼこちらが一方的にフォローしているだけの人たちだ(コミュ障なのでうまく仲間に入れて貰う方法が分からない)
マニュアルで撮影するのが好きな人たちが多い。ライカユーザーも少なからず混ざっているのが面白い。 古いMマウントレンズとも相性が良い上ハイライトも粘るから使い勝手が良いんだと思う。 twitterで発言している人たちの中に結構持っている人がいるということは、その背後でそれなりの数の物言わぬ人たちが背中を押して貰うのを待っているのではないか。 そういうわけで、改めてこの機種の使用感をまとめてみたい。主に背中を押す方向で。
α7sはちょうど3年半ぐらい使った。 最初はLoxia 50一本で始めた。 当時、デジタルカメラはコンデジとキットレンズのついたNEX-3しか使ったことがなくて、それでも画質には満足していたけれど、α7sで撮った画を見てフルサイズとちゃんとした単焦点の画質に舌を巻いた。
フィルムカメラのFM2につけっぱなしになっていたNikkor 50mm f1.2をマウントアダプターでつけてみた。 こんな事を言うと天邪鬼みたいだけれど、その頃世間はすでにボケボケ言っていたが、どちらかというとフルサイズ+大口径レンズのピントの薄さに戸惑い、どんどん解放で撮っていこう!という風にはならなかった。
浅い被写界深度に対して特に苦手意識を感じたのが、Loxia50にエクステンションチューブをかませて小さいキノコの写真を撮ったときだった。マクロ域では被写界深度が極端に浅く、光量も落ちるということをこの時にうっすらと学んだ。そして、ピントがこれだけ薄いと作品づくりも難しいと思った。そして後年になってマクロレンズを買った際に、色々なセンサーサイズが選べるこの時代における、フルサイズとマクロの相性の悪さを思い知らされることになる。あと望遠も。
そう、自分は鳥とキノコという焦点距離的には両極端なものを撮ることに、大した撮影の知識もないときから憧れていたのだった。そしてカメラは普通35mmっしょ、前使ってたニコンのレンズも使えるっしょと、90年代の固定観念を引きずってフルサイズに手を出すことになる。その用途ならマイクロフォーサーズ一択だろそれ…なんてことは今となってはもう分かっているのだが、子育てが忙しくてまだ限界までフィールドで戦えてないからという寝ぼけた理由を付けて、今日もフルサイズを手放さず、スナップばかり撮っている。
話がそれた。
さて、そんなこんなで3年ほどα7Sを使った雑感を述べてみたいと思う。まずは残念な点だが、Sだけの話ではないだろうけれど、 液晶をチルトしているときに腰に近づきすぎると液晶が消えてEVF表示に切り替わってしまう。 腹に目はついていないので、この状態のEVFモードは全くの役立たずである。これって最近の機種では改善されてるんですか? 個人的にはネガティブな点はそのぐらいで、その他のソフトウェアの出来の悪さについては特に何も言わないことにしている。 G9Proにリプレースしたら幸せになれるんだろうなあ。でも当分はこのままでいいや。
次に良い点だが、EVFが綺麗。少なくとも自分はそう感じる。お店でα7RIIIのEVFを覗いても、なぜかα7s初代のEVFの方が綺麗なように思えてしまう。 こっちの方がちらつきが少ない気がする。まあこの辺は個人差なんだと思う。
撮影の画質で言うと、この一年ぐらいでようやくRAW現像するようになったんだけど(Capture One Proを使ってます)、巷で言われているとおりシャドウもハイライトもよく粘る。 最近α7sと併用する人が増えてるっぽいライカのM10の場合、ハイライトは瞬殺で白飛びする。恐らくこの白飛びに疲弊した人たちがライカレンズの生かせるα7シリーズに興味を持っているのではないかと思う。あの基準から考えるとα7sは安心して太陽に向かっていけるカメラなので、思う存分逆光写真が量産できる。
もちろん、実際のところは無駄打ちが憚られたフィルム時代は皆そうであったように、光源の位置を常に意識して順光で被写体と向き合うのがベストと考えている。 昨今はレンズの逆光性能やセンサーのダイナミックレンジに頼りきってしまってもそれなりに綺麗な写真が撮れてしまうが、自分なり光を意識して撮るだけでも撮れる色が数段綺麗になるんじゃないかと思う。
そういえば、今わざわざα7sを買うような人はあんまり気にしないと思うんだけど、AFは遅くて動体は苦手。 FEマウントのオートフォーカスのレンズは唯一SEL90M28を持っているけど、このカメラのコントラストAFでは動く子供にはなかなかピントが合わない。 この辺りはもともとAF性能を期待してこのカメラを買ったわけではないので構わないといえば構わない。
でも、2019年現在でも現行機種の筈なのに、ファームウェアによる機能追加が全くなされないのは頂けない。 MFメインであれば関係ないと言えば関係ないんだけど、なんだかなあ。
ちなみに新品で買う人は3年保証には入っておくこと。うちの子は2年で背面のゴムパーツが脱落してホイールも効かなくなった。 交換に3万円ぐらいかかった。
あれ、気がついたら文句ばっかり書いてるな。 でもα7s、いいカメラだと思う。今のところはこれからも当分使い続ける予定。 あと、一通り調べても決め手に欠けるという人は5ちゃんねるのα7sスレを読んだらいいと思う。 凄く平和だしみんなα7sのこと大好きだから。
え、レビューになってないって?